仮想通貨としての時価総額はビットコインに次ぐ第2位となるのが「イーサリアム」です。その価格変動はビットコイン以上とあって、投資家の注目度も高いのが特徴です。
今回はこのイーサリアムについて詳しく説明していきます。
イーサリアムは仮想通貨のプラットフォームのこと
仮想通貨のイーサリアムは「ETH」あるいは「Ethereum」と表記します。ところで実際には、イーサリアムは仮想通貨を流通させるためのプラットフォームを意味します。そしてそのプラットフォームで流通している仮想通貨は、「イーサ(Ether)」と呼びます。
しかし一般的には、その仮想通貨もイーサリアムと呼びますし、それで問題はありません。
イーサリアムの特徴は「スマートコントラクト」にあり
それではイーサリアムの概要について、わかりやすく説明します。
イーサリアムはブロックチェーン技術を利用している
仮想通貨にはビットコインに代表されるように、ブロックチェーン技術を使って管理組織を持たないタイプと、リップルのように管理組織があるタイプとに分かれます。
イーサリアムはビットコインと同じく、ブロックチェーンを使って管理組織を持たずにインターネット上で流通する仮想通貨です。
ただしビットコインのブロックチェーンが取引履歴のデータのみを記録することに対して、イーサリアムは取引そのものをブロック内のプログラムで実行するようになっています。
この技術を、「スマートコントラクト」と呼びます。
イーサリアムのスマートコントラクトとは何か?
ブロックチェーンに記録されるスマートコントラクトとは、簡単に言えば仮想通貨の取引を自動で行うプログラムのようなものです。
たとえばA氏がB氏にイーサリアムを送金し、かわりにB氏がA氏にビットコインを送金するとします。スマートコントラクトにはこの取引の一連の流れをプログラムにして記録されるので、A氏とB氏双方の取引が間違いなく実行されるようにできます。
たとえば、双方が手続きを間違いなく行った場合に、仮想通貨を交換する取引を実行するという形のプログラムをブロックに書き込めばよいのです。どちらかが実行しなければ、相手側が行った送金手続きは実行されません。
あるいは1週間後にETHを送金する手続きをするプログラムをブロックに書き込めば、そのとおりに実行することもできます。
このようにイーサリアムはビットコインとは異なり、取引内容そのものをブロックにプログラムとして記録できるという特徴を持ちます。
イーサリアムもマイニングにより仮想通貨が発行される
イーサリアムもビットコインと同様にマイニングを最初に行った人にあらたなETH(Ethereum)が付与されます。ただし、ビットコインとは異なる面もいくつかあります。
イーサリアムには半減期がない
ビットコインは4年に1度、マイニングによる仮想通貨付与の半減期が訪れます。そのため、発行量も上限が決まっています。
それに対してETH(Ethereum)の場合には半減期というものがありません。そのためマイニングが行われるたびに新規のETH(Ethereum)が発行されるので、発行量は理論上は永遠に増え続けることになります。
マイニングは15秒程度で終わる
あらたに仮想通貨の取引が行われるとブロックチェーンも新しいブロックが生成されます。このマイニング作業はビットコインの場合は10分ほどかかりますが、イーサリアムの場合は15秒程度で完了します。
そのため、送金手続きも15秒程度で完了するので、即座に決済されることになります。この決済スピードの速さはイーサリアムのメリットと言えます。
イーサリアムの価格推移
イーサリアムを投機対象に資産運用をしようという方にとっては、その値動きが気になるところでしょう。
2019年9月24日から2020年9月24日の1ETHの始値、高値、安値、終値は以下のとおりです。
始値 1万7292円(2019年9月24日)
高値 5万1183円(2020年9月2日)
安値 9552円(2020年3月13日)
終値 3万3901円(2020年9月24日)
2020年の3月から9月にかけて、ETH(Ethereum)は5倍以上になっています。このボラティリティの高さはビットコイン以上と言えるでしょう。
発行量に上限がないことを考えると、どこまでも価格が上昇するとは考えにくい面もあります。少なくとも当面は、仮想通貨市場の動向によってはさらなる上昇も期待できるかもしれません。
まとめ
イーサリアムはブロックチェーンに独特の仕組みがあることで、セキュリティ面での安心感がより大きいことがわかります。またマイニングの報酬に半減期がないことから、今後も多くのユーザーを取り込むことが考えられます。