仮想通貨は値上がりに注目されることから、投資対象と考える人も多いと思います。しかし仮想通貨はブロックチェーン技術を背景に、さまざまな用途があります。今回は仮想通貨にはどんな用途があるのかをご紹介します。これから仮想通貨を始めてみようかと考えている方は参考にしてください。
投資(投機)対象として
ビットコインの価格上昇により巨額の財産を作った人が話題になることから、仮想通貨の短期売買で投資をする人が多くいます。これは投資というよりも投機行為ですが、仮想通貨を購入する人のほとんどはこの投機目的と考えてよいでしょう。
たとえばビットコインの2021年の値動きをみてみると、次のようになります。1BTCあたりの日本円の価格で、12月3日までの4本値です(単位は円)。
始値 2,968,795(1月)
高値 7,794,000(11月)
安値 2,968,795(1月)
終値 5,459,254(12月3日)
ビットコインの次に人気のある仮想通貨「イーサリアム」は次のようになっています。
始値 75,940(1月)
高値 542,155(12月)
安値 74,110(1月)
終値 440,300(12月3日)
このようにどちらも、年間を通して大きく上昇していることがわかります。ただし一本調子で上げているわけではなく、上下動を繰り返しているので、途中で売買する場合には損失を出す可能性もあります。
資産形成のため
仮想通貨を短期的な値動きを利用した投機対象とせず、長期的な値上がりを見込んで資産形成の目的で購入する人もいます。短期的な値動きを見込んだ投機行為と長期的視点に立つ資産形成は異なるものです。
たとえばビットコインの年末時点での終値をみると、次のようになります(単位は円)。
2015年 51,052
2016年 115,846
2017年 1,673,600
2018年 406,995
2019年 779,450
2020年 2,968,795
2021年 6,457,586(11月末時点)
イーサリアムは次のとおりです。
2019年 14,061
2020年 75,940
2021年 523,900(11月末時点)
ビットコインは途中で値下がりをしている時もありますが、長期でみると大きく上昇しています。短期売買をするよりも、長く保有していれば大きな資産形成ができたと言えるでしょう。
サービスの決済のため
仮想通貨はサービスの利用料や買い物などの決済に使用できます。たとえば米テスラ社がテスラ車購入の決済にビットコインを使うと表明(のちにこれを停止)したことや、アップルやアマゾン・ドット・コムも仮想通貨での決済を検討していると報じられています。
また、海外でオンラインゲームを提供するオンラインカジノでも、仮想通貨で決済できるところが増えてきました。アカウント口座への入金と口座からの出金に仮想通貨が使えます。さらに仮想通貨そのものでオンラインカジノゲームをプレイすることもできるサービスもあります。
仮想通貨はブロックチェーン技術により、取引の内容そのものをデータに残すことができます。
誰がいくら入金し出金したのか、その痕跡が残ることからオンラインカジノでは基本的に本人確認書類は不要としています。それが利用者の利点にもつながっています。
個人間の送金のため
もともと仮想通貨は個人間でのお金のやり取りを簡単にすることを目的に開発されたものです。国際送金にも手数料がかからず、偽造される危険性もほとんどありません。
中央銀行のように管理する組織も必要ありませんし、個人間での送金手段としては理想的と考えられます。ただし仮想通貨は法定通貨よりも値動きが大きく、通貨価値として考えると不安定な面があることから送金手段を目的に保有するケースは少ないと考えられます。
資金調達のため
仮想通貨はICO(Initial Coin Offering)という新しい形の資金調達に使えます。これは株式発行と似たような仕組みですが、企業が独自の仮想通貨を発行して販売するというものです。
その具体的な例として挙げられるのが「イーサリアム」ですが、イーサリアムというプラットフォームで新しい仮想通貨を簡単に生み出せることからICOとして利用されています。ICOの8割ほどはイーサリアムを利用していると言われています。
ただしこの仮想通貨を使ったICOは購入者に対する保障がないためリスクを伴うものとして注意が必要です。また発行された仮想通貨は上場できなければ自由に売買できないため、購入した仮想通貨は売却できずに価値が無くなる可能性もあります。
まとめ
法定通貨ではない仮想通貨には、ブロックチェーン技術に裏打ちされた便利な使い方があります。さらにその価格が上昇し続けていることを背景に、投資対象として保有する人が増えています。もちろん短期的には値下がりをする場面もあるため、投資対象として考えるにはリスクがあることを把握しておく必要があります。